韓国の刑事訴訟裁判

韓国の刑事訴訟法は、社会の流れや国民の意識の変化などに応じて、定期的に改正されています。かつては、被疑者を裁判官の前に立たせて弁論の機会を与えて、拘束令状を発布するか否かを諮る審査制度が行なうことが規定されていました。また、被疑者の供述を調書に記録しなければならないとする「捜査過程記録制度」や、被疑者が取り調べを受ける際に弁護士の立ち合いを認める制度なども改訂されてきました。

さらに、取り調べの録音や録画を行うことが出来る制度も検討されています。被疑者に対する取り調べの録音や録画制度を導入することで刑事司法の透明化を促し、国民の司法への信頼を促すという狙いも見受けられます。

被疑者の取り調べにおいては、被疑者が弁護人の立ち合いを求めた時には、緊急な場合を除き弁護人が到着するまで被疑者の取り調べはされないという規定があります。加えて、被疑者への助言や取り調べにおける意見を述べることが弁護士に認められており、取り調べの際に作成された調書への閲覧、訂正なども認められています。

韓国の刑事訴訟裁判は日本とよく似ています。民事のように当事者同士で話し合いがもたれる訳ではなく、裁判を起こす側は「検察官」とされ、被告人は検察官への対応ができるように弁護士に依頼する権利が日本と同様に認められています。刑事告訴をする場合には警察に被害届を提出して、これが受理されることで裁判が開始されます。そのため、状況証拠の収集が必要とされることもあるので、時間や手間がかかります。

また、韓国の裁判の特徴では、詐欺行為は日本では不法行為に対する民事事件と犯罪行為に対する刑事事件は同じ事件でも、取り扱い方が異なるため同時に行われることはありません。一方、韓国ではケースによって同時進行させていくことがあります。

このように刑事訴訟裁判ではただでさえ難しい法律問題がたくさんあり、しかも韓国でのトラブルや事件、それらを解決に向かわせるには代理人の力が何よりも重要なポイントです。

韓国の刑事事件において法廷は、被告人への判決を下して有罪判決が下された場合には刑を処します。裁判の際には被告人の有罪の証明は全て検事が行います。このように刑事法においては韓国と日本とでは類似する点が非常に多くなります。刑事訴訟法も、事案の解明や証拠の提出に関する主導権を当事者に委ねる「当事者主義」が採用されており、条文についても韓国と日本では類似する点が多くあります。

弁護士は、被告人の弁護や代理業務を通じて司法手続きを行います。事件当時者側の訴訟委任における受任者でもあり、公平な裁判を保っていく上での責任を負います。

このように、韓国の刑事訴訟裁判において、弁護士は重要な役割と責任を負いますので、どの弁護士に依頼するのかが重要です。

さらに、日本人が韓国弁護士からサポートを受ける場合には言葉の問題があります。この時には、日本語が理解できる弁護士であれば細かなコミュニケーションが取りやすいメリットがあります。